上昇トレンド→高値圏のもみ合い→さらにその後のトレンド発生時の売買の注意点




バンドウォークの上昇がいったん止まって、高値圏のもみ合いに入る時の注意点


バンドウォークの上昇時は、どこで買ってもその後に株価が上昇しますので、
単純な買い戦略で利益を上げ続けることができます。
なぜその後に株価が上昇するのかといえば、
高値を追って買う資金が次々に株式市場に流入してくるからです。
その高値を追って買う資金が流入し続けるかどうかは、主に下記の2点にかかっています。
(下記以外にも信託銀行買い等の要因もありますが、基本的には下記の2点をみていくことになります)
(1)海外勢の先物買いの基調が続くかどうか
(2)裁定現物ポジションの強気パターンが続くかどうか

日経平均は、11月に入ってから強い上昇となり、この期間の上記の(1)(2)はいずれも
強気パターンが続きました。
しかし、12月に入ると、これまでの強気一辺倒の形は変化しており、
日経平均の値動きも高値圏でのもみ合い相場が、ここまで続いております。(チャートを参照)


高値圏のもみ合いに入ると、指数は若干の高値更新も起こり得ますが、
概ね500円~1000円程度の値幅でもみ合う展開がしばらく続きやすい傾向があります。
12月16日の前場ザラ場時点では、すでに2週間以上の高値圏でのもみ合い相場となっております。

そして、このもみ合いの期間では、
“どこで買っても利益を上げることができる相場にはならない”ため、
もみ合いの高値付近では買わないように注意しなければいけません。
高値更新してどんどん上昇していくようにみえて、そうならないのが高値圏のもみ合いであり、
さらには安値更新してどんどん調整が進んでいくようにみえて、そうならないのも高値圏のもみ合い相場の特徴
です。

この値動きをよくイメージしておくと、不要な損失を防ぐことが可能ですが、
この値動きのイメージが不十分だと、高値圏のもみ合いの中で高値で買って損をし、
安値で売って損をし、往復で損失を出してしまうことになりかねないことが、
この高値圏でのもみ合い時の注意点です。

相場は概ね、もみ合いが7割でトレンド相場が3割です。
基本的にもみ合いはレンジの上限や下限での逆張りが有効ですが、
トレンドは順張りが有効であり、逆張りをすると損をします。

したがって、仮にもみ合いを想定した売買を常にした場合は、
もみ合いでは上手く利益を上げ続けることができますが、
トレンドに転換した後に同じような売買をしてしまうと、
その利益を吹き飛ばしてしまったり、最悪、相場から退場に追い込まれてしまうことも起こり得ます。
逆にトレンドを想定した売買を常にした場合は、
トレンド時では上手く利益を上げ続けることができますが、
もみ合いに転換した後に同じような売買をしてしまうと、
その利益を吹き飛ばしてしまったり、最悪、相場から退場に追い込まれてしまうこともあり得ます。

つまり、もみ合い時に通用する手法は
トレンド時には通用しないことが多く、
トレンド時に通用する手法は
もみ合い時には通用しないことが多いため、この違いをしっかりと理解しておく必要がある
のです。

しかし、相場はもみ合いとトレンドを繰り返しますので、
上記のことを理解した上で相場に参加している投資家は
上手く利益を上げ続けることができますが、
上記のことを理解できていないまま相場に参加している投資家は、
儲かったり損をしたりを繰り返して資産が増えないか、最悪の場合退場に追い込まれてしまいます。

日経平均はここまで高値圏でのもみ合い相場が続いてきましたが、
このもみ合い相場は永遠には続きません。
もみ合いが終わり、再びトレンドに移行する時が必ずきます。
その時には、もみ合い時の売買戦略ではなく、トレンドを意識した売買戦略を実行していくことになります。
相場の変わり目では、しっかりとこのシミュレーションをしておく必要があります。