地合いが良い時と、悪い時の両方に上手く対応する方法




株式市場には”地合いが良い時”と”地合いが悪い時”がある

“地合いが良い時”とは、日経平均やマザーズ等の指数が上昇相場の時や、相場が安定している時、個別銘柄の物色が活況な時のことを指します。
いわゆるリスクオンの時と同じ状態です。

逆に、”地合いが悪い時”とは、日経平均やマザーズ等の指数が下降相場の時や、相場が不安定な時、多くの個別銘柄の株価がピークを打って下落圧力が強い時のことを指します。
いわゆるリスクオフの時と同じ状態です。

そして、地合いが良い時と、地合いが悪い時は、下記のようなことが起こります。

上記の通り、地合いが良い時は、高値を追って買う資金が次々に株式市場に流入してきます。
そして、株式市場に資金が流入するということは、時価総額が増加することになり、
全体のパイが膨らむことを表し、株式市場が活況となります。
このような時の株式市場の状況は、
海外投資家の買い、投信の買い等で、多くの銘柄が値上がりし、
高値を更新していき、押し目はすかさず買われる展開になりやすいです。

よって、地合いが良い時、リスクオンの時は、積極的にリスクをとって利益を狙う戦略が有効です。

逆に、地合いが悪い時は、地合いが良い時に起こることの逆の流れが起こりますので、
株式市場から資金が流出し、全体のパイが縮小し、
海外投資家の売り、投信の売り等で、多くの銘柄が値下がりし、
それまでの上昇に対する調整が入ったり、元々弱かった銘柄は安値を更新する展開になりやすいです。

株式投資、買いのみの短期トレードは地合いによって成績が大きく変わる

したがって、株式投資や、買いのみの株の短期トレードは、
地合いによって成績が大きく変わりやすいものです。

株式市場から資金が流出して全体のパイが萎んでいく相場環境の時は、
地合いが悪い時にあたり、下落圧力が強くなりますので、
いくら銘柄選別が上手くても、
短期トレードの巧みな技術があったとしても、
株式投資や、買いのみの株の短期トレードは不利で、
負けやすくなるのです。

したがって、地合いが悪い時、リスクオフの時に、
積極的にリスクをとって株式投資や、買いのみの株の短期トレードで利益を狙う戦略をとってしまうと、大きな損失を出してしまう恐れがありますので、
地合いが悪い時は、守りを固める必要があります。

最高の買い場は、地合いが悪く、多くの投資家が総悲観の時に訪れる


しかし、地合いが悪い時には、最高の買い場が訪れることがあります。

暴落は地合いが悪い時に起こるものですが、
その暴落局面は、中長期投資というスタンスであれば、最高の買い場になることがあるのです。
例えば、2020年3月のコロナショックの大暴落の安値は、最高の買い場となりました。

この時の地合いは非常に悪く、
多くの投資家が悲観的に相場を見ており、
その後の上昇局面でも悲観的な見方から抜け出せずに懐疑的に相場を見てしまい、
上昇相場に乗れない投資家が多数いましたが、
大暴落が起こった時は、いつもこのような現象が起こります。

しかし、株式投資での最高の買い場(=底値)は、
必ず地合いが悪い時で、多くの投資家が相場を悲観的に見ている時に訪れます。

よって、地合いが悪い時でも、運用方針によっては、チャンスになる場合があるのです。

では、地合いが良い時にも、悪い時にも、両方に上手く対応するには、
どうすれば良いのか?

私が実践している方法は下記の通りです。

複数の証券口座に資金を分散し、証券口座ごとに運用方針を分ける


私は、以上のことを踏まえた上で、下記のように、運用資金を分散した上で、それぞれで利益を狙うという運用方針で相場に臨んでおります。
「先物・オプション」
「FX」
「ETF・投信」
「株」
「待機資金」

株式投資やETF、投信については、地合いの影響を大きく受けることになりますが、
先物・オプション取引、FXについては、地合いは関係ありません。
勝つか負けるかは、トレード技術次第、実力次第です。

まず、このように地合いの影響を大きく受けるものと、受けないものを区分けして、
資金を分散させることで、自分の運用資金のリスク分散をすることが可能です。

さらに、上記の「株」の中でも、下記の通り、複数の証券口座に資金を分散し、
それぞれの証券口座ごとに運用方針を分けております。
このように複数の証券口座と、運用方針を複数設けることで、
私は、地合いが良い時にも、地合いが悪い時にも、両方に対応をしております。

さらに詳しく見ていくと、
私、高田智雄の公開用口座として、下記の2つがあります。
(1)SMBC日興証券(暴落時はチャンスと捉えて淡々と買い下がる)
(2)松井証券(地合い良い時に、投機、短期トレードを繰り返して利益を狙う)

(1)のSMBC日興証券については、
中長期投資で、積立も行い、配当もある程度考慮し、その配当は全て再投資するという運用方針の証券口座です。
また、この証券口座では、地合いが悪い時は中長期投資のチャンスだというスタンスで、
安く買って高く売る戦略の逆張りがメインの証券口座です。

このような中長期投資用の口座を持っておくメリットは、
大きな上昇相場や、長い上昇相場、さらには相場がバブルに発展したときには、
確実にその大きな流れ、トレンドに乗ることが可能です。

逆に、中長期投資用の口座を持っておくデメリットは、
長い下降相場や、暴落相場や、さらには相場が恐慌に陥ったときには、
多くの銘柄が下落することになりますので、
大きな含み損を抱えてしまうことです。

特に、暴落相場や恐慌では、業績が良い銘柄であっても大きく叩き売られることになります。
これは、2020年3月のコロナショックの株価大暴落が記憶に新しいことです。

このように、中長期投資用口座を持つ場合は、
メリットとデメリットがありますので、
このことをよく理解した上で運用していく必要があります。

なお、このSMBC日興証券の口座の運用状況は、
2019年12月から運用を開始しており、
2020年10月12日(月)の引け後では、下記の通りです。

国内株式(日本株)の取得価額(買付の合計)は1937万円
時価評価額は2566万円
評価損益額はプラス629万円
評価損益率はプラス32.4%
当口座の資産総額は2608万円です。
コロナショックの暴落時も淡々と買い付けを続けたことが実を結んでいる形です。

譲渡損益については、一部だけ利確した形で、
230,434円となっております。
特定口座ですので、税金が46,807円天引きされております。
今後も、ある程度上がりすぎた銘柄は利確をしますが、
大半のポジションは少なくとも来年(2021年)まで持ち越す予定です。

収穫の時期は2021年か2022年を想定しておりますので、
それまでは保有を続けながら、その過程で、
下落局面、暴落局面があれば、淡々と買い増しも続けていく方針です。

配当については、
42,678円です。
特定口座ですので、税金が8,625円天引きされております。
ポジション全体に対する配当利回りは1.5%ほどありますので、
現時点では、当証券口座での年間配当は30万円ほどが見込まれる形です。

中長期投資用口座の運用状況は、以上の通りです。

次に、(2)松井証券の口座については、
投棄、短期トレード用の口座で、配当は考慮せず、地合いやチャート重視で、
高く買ってさらに高値で売る順張りの戦略も積極的に行う方針の証券口座です。
また、この証券口座では

地合いが悪い時は、現金比率を高めたり、全て現金化して
リスクヘッジをします。
そうすることで(1)の中長期投資用口座のデメリットに対するリスクヘッジにもなり、
地合いが悪い時に、大きく資金を減らしてしまうリスクや、塩漬け株を持ち続けて資金効率が悪くなるリスクも格段に減らすことができます。

なお、この松井証券の口座の運用状況は、
現在のルール(投機、短期トレード)では、
2020年5月11日から50万円の資金で運用を開始しており、
2020年10月9日(金)の引け後では、下記の通りです。

税引き後の資産総額は、114.8万円(このうち現物株の含み益18.8万円)
譲渡損益は、57.6万円のプラスです。
特定口座ですので、所得税が8.8万円、地方税(住民税)が2.8万円、源泉徴収されております。

譲渡益が50万円を超えたのは9月25日ですので、
開始してからちょうど4ヶ月半で、口座残高が2倍になりました。

50万円の小額で株式投資を開始しても、地合いが良ければ
上記の実践のように半年以内で資金を2倍にすることも可能です。

さらに積極的にリスクを取れば、もっと短期間で資金を2倍に増やすことも可能ですが、
株式投資や、買いのみの株の短期トレードについては、
地合いが極めて重要ですので、地合いによって運用成績が大きく変わることになります。

上記の東証マザーズの月足チャートの通り、
マザーズは2006年1月に向けて上昇が続いており、
当時の株式市場は新興市場バブル(=株式投資ブーム)となっておりました。

そして、この期間では、多数の億トレーダーが生まれました。
書店には、「○万円を1年で○億円にした手法」「誰でも簡単に億トレーダーになれる」等の類の書籍がいくつも並び、テレビでもよく特集が組まれておりましたが、
このような現象が起こると、株式投資ブームも終わりが近いサインとなります。

そして、マザーズ指数の暴落開始と共に、株式投資ブームは終わり、
その後のマザーズは3年以上の下降トレンドとなりました。
この地合いの急悪化により、地合いの良さで勝てていただけの多くの億トレーダーが
消え、本当に実力がある億トレーダーだけが生き残ることになりました。

このように、株式投資や、買いのみの株の短期トレードについては、
地合いの良し悪しが極めて重要ですので、
私はこのことを十分に理解した上で、中長期投資用口座と投機用口座の運用を実践しております。